シンガポールの就労ビザ「Sパス」の基準が更に厳しく

2010年頃から就労ビザの基準を段階的に引き上げているシンガポール、2019年7月1日から、中技能労働者向けの就労ビザ「Sパス」の基準が変更されます。

今回の変更は外国人を雇用する企業側が注意する内容ですが、結果的にはシンガポール就職を目指している方にも影響を及ぼすため、細かな規定の変更ですが詳しく説明したいと思います。

Sパス枠の算出方法

「Sパス」はビザ取得に必要な最低給与額がエンプロイメントパス(EP)に比べ低いため、現地採用者を中心に、また最近はEPに比べて審査の容易さから駐在員も取得するケースが増えている就労ビザの1つです。

Sパスは社員数に応じて取得できる人数(枠)が決められているのが特徴です。

国民・永住権保持者の従業員(正社員・パートを問わず)のうち、月給$1200以上は1名、月給$600以上は0.5名として数え、その総数を基準に15%(サービス業)・20%(その他全ての業種)分のSパス枠が得られるという仕組みです。

例:月給$1200の国民・永住権保持者を6名雇用しているサービス業は1名のSパス枠を得られる

Sパス枠計算の基準給与額の引き上げ

この従業員数を算出する基準給与額が2019年7月1日の申請(新規・更新共に)から引き上げられます。

2019/06/30まで 2019/07/01から
1名として数える従業員の給与額 $1200以上 $1300以上
0.5名として数える従業員の給与額 $600以上 $650以上

 

ここ数年、Sパス枠算出の基準給与額は少しづつ引き上げられてきました。

2017年6月まではそれぞれ$1000~/$500~、2017年7月からは$1100~/$550~、2018年7月から現在までは$1200~/$600~です。

引き上げは人件費が安い外国人従業員に安易に頼るのではなく、業務生産性を高めることが政府の狙いです。またエンプロイメントパス(EP)の最低給与額が上がり、審査も厳しくなった影響でSパスの申請が年々増加しているのも理由の1つなのでしょう。

影響を受けやすい業種

今回の変更で特に打撃を受けるのは飲食・小売などの労働集約型産業、パート・アルバイト比率の高い業種です。

正社員で月給$1300に満たない国民・永住権保持者はわずかですが、月給$600-$1200で働くパート・アルバイトは少なくありません。今回の変更により、Sパス枠算出の対象になる従業員数が減ってしまう=Sパス枠の減少に直面する企業が、特にパート・アルバイトが多い業界(飲食・小売等)を中心に増えるのは間違いないでしょう。

Sパス枠の減少は、新たにSパスで外国人を雇用できないばかりか、Sパスで就業中の外国人従業員さえ減らさなければならないこと(解雇)になります。

それを防ぐ方法は「業務生産性を高める」・「シンガポール人従業員の給料を上げる」しかありません。

シンガポールの就労ビザ制度の概要はこちらのページでご紹介しています。

就労ビザの規定 -シンガポール

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