【海外就職 マレーシア クアラルンプール近郊】日系企業で働くYさん(女性・50代後半)

東南アジアで現地採用として働く日本人の皆さんの声をお届けする「海外就職成功者インタビュー」、今回はマレーシア クアラルンプール近郊の日系企業で働く50代の日本人女性にお話を伺いました。

海外就職先に「マレーシア」を選んだ理由は?

日本の会社を夫とともに早期退職をして、マレーシアで(MM2Hビザを取得 *インタビュー後半で説明)リタイア生活を半年送りましたが、仕事人生に区切りがついておらず、再就職した次第です。

マレーシアの就職先での仕事内容について教えてください。

日系企業で、経理責任者として経理業務をフルセットで担当しています。

フルセットとは、通常経理部は業務を分担して受け持ちますが、簿記・支払い・入金処理業務・決算業務・会計監査までの全て一通りできるノウハウ及び知識を持ち、すべてを担うことです。

分担していると担当外の業務は出来なかったりするため、習得迄に時間がかかることがありますが、フルセット経験者は、即戦力となります。

就職先の仕事内容・同職務経験の有無を教えてください。

日本で27年務めた会社では、一部だけ経験がありましたが、マレーシアで最初に勤務した日系製造業で、同業務を3年経験しました。

日本やマレーシアでの就労経験をお教えください。

日本では27年マスコミ関係で、報道・営業・財務・内部監査業務などを経験しました。

マレーシアでは、経理関係・日本語通訳として、3社で働きました。

マレーシアでの就職活動期間を教えてください。

マレーシアでの就職活動では、複数の人材紹介会社を訪れました。

就職した会社では、2回の面接を経て、1ヵ月強で就職が決まりました(2社からオファーをいただきました)。

就職活動期間に感じたのは、マレーシアでの就職や転職は、企業と求職者の間に立ち、縁結びの役目を果たしてくれるエージェントさん(人材紹介会社)の力量が大きく、担当者によってもかなり結果は違ってくるということ。

「こちらの心境や今後の希望などを、まずは汲み取ってもらい、そしてそれを踏まえた的確なアドバイスをくれる」こういった担当者に巡りあえたお陰で、私の場合は転職に成功しました。

マレーシアで働くために必要なのは?

年齢を重ねた上での海外就職の場合は、日本での経験と知識、また改善を積極的に進める精神とノウハウが必要だと思います。

50歳を過ぎての海外就職、困難さなどは?

外資系(特に欧米)の企業は、年齢制限がありました。45歳までということで面接まで行かないケースを経験しました。

周りのスタッフが若いので、雰囲気を崩すことが年齢制限を求める理由だそうです。

一方日系企業は、経歴を重視し、さらに若くない分、今後の結婚や出産が無いということで、長く勤めてくれるだろうと、評価が高い傾向にありました。

ただ、やはり海外就職は、20代・30代の方々が主流だと思えます。

年齢が上がるほど、会社の経営等を上向かせるための改善案や施行を求められます。

マレーシアは、日本人に比べのんびりした人が多いので、同僚を日本人の仕事のペースに近づける作業は非常に困難です。

しかしながら、めげずにやろうとする、会社に貢献する意欲が強いことが重要だと思います。

また、すぐに使える資格は重要で、年齢が高い場合は、こういった資格や語学力が高ければ、より有利だと思います。

現在どのような資格をお持ちですか?

日商簿記検定1級と国際会計検定アカウンタントレベル(BATIC Bookkeeping and Accounting Test for International Communication)

過去に海外の経験はございますか(留学、就学、旅行など)?

高校生の時、アメリカ合衆国に1か月のホームステイの経験があります。

若い頃でしたので、色々と刺激を受けられたと。

その時、この英語力ではまだまだだと思い、英語をもっと勉強しようと強く思いました。

また、海外旅行はアジア、ヨーロッパ各所にほぼ毎年しておりました。

マレーシアのMM2H(マレーシ・マイセカンドホーム)ビザとは?

主にリタイアした人たちが取得し、第二の人生を海外で送るために必要なビザで、日本の年金や貯蓄が、活発に費やされることをマレーシア政府が期待し、滞在を認めるものです。

最近では日本で事業や投資に成功し、それなりの資産を若くして得た日本人も、MM2Hを取得しマレーシアに来られています。

物価は高騰中ですが、日本に比べれば、まだ生活費は低く抑えられ、冬の気候の厳しさなどからは逃れることができます。

ただ、MM2Hでは、就労できません。

自ら事業をやるのは可能ですが、会社に勤めて収入を得ることは禁じられています。

よって、働くために私の場合は、一度MM2Hを返却し、就労ビザを取得して働いています。

MM2Hは、就労が終わった時に返却してもらえることになっております。

夫は現在もMM2Hビザを保有して、今後更新を考えています。

私たちの取得時には、条件さえ満たしていれば(毎月の収入や預貯金額等マレーシア政府の求める内容)、ビザ取得は難しくはありませんでした。

現マレーシア政府は、中国本土、韓国からのMM2H取得者が急増しているため、条件を厳しくする方向にあると噂で聞いています。

参考: マレーシアのロングステイについて(マレーシア観光局)

http://www.tourismmalaysia.or.jp/long/long_5.html

マレーシアでの休日はどう過ごしていますか?

日本人会で、リタイアされた先輩方とカラオケ同好会に所属し、日本の歌を楽しんだり、夫とスポーツクラブで過ごしたりしております。

マレーシアでのお住まいはどうされていますか?

会社に自分一人で電車とバスで行ける場所に、コンドミニアムを借りています。

駅に近くショッピングモールに囲まれた好立地のため、日本人駐在員の社宅としての利用も多いコンドミニアムで、月3,500リンギの家賃です。

マレーシアのどこか好きですか?嫌いですか?

寒い冬が無く一年中気候が良いところが、大好きなところです。

また、全てにおいて日本に比べゆるい国なので、喫茶店にコーヒー1杯で半日滞在できるような、のんびりしたところでしょうか。

逆に嫌い、というか困るところは、請求書金額に間違いがあったり、時間にルーズだったり、謝る習慣や発想が日本に比べ薄いところでしょうか。

これからマレーシアで就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?

マレーシア海外就職時には、経験がある業務を選択した方が良いと思います。

特に日本での経験は非常に大きく、マレーシアの会社の改善や成長のために役にたつと思います。

会社の同僚などは、日本に比べ考え方がのんびりで、若干責任感が薄いこともあり、犠牲にならないように、注意していなければなりません。

また、日本人はマレーシアで働かせてもらって、生活させてもらっているという感謝の気持ちをいつも持ち、マレーシアの人と仲良く生きていく事が大切だと思います。

最後に、マレーシアでの海外就職は、人材紹介会社との出会い・相性も大切ですので、経験者・皆さんのアドバイスを参考にすると良いかと思います。

インタビューを終えて

今のところ日本への帰国は考えていないとのYさん。

「定年まで会社勤めをしたら、滞在させてもらっている恩返しに、マレーシアで日本語を学びたい人たちにボランティアで教えたいと思います。」とのこと。

マレーシア生活での感謝の気持ち、仕事での冷静な自身の立ち位置、年齢的なこと、それらが印象に残るインタビューでした。

Yさんも体験談からも述べられていますように、年齢的に海外就職の求人が多いのは20代・30代です。

ご本人の積み上げてきた業務能力と企業に繋いでくれる人材紹介会社のサポート、これがうまく噛み合っての海外就職成功例。

シニア年代には、Yさんの体験やアドバイスを、海外就職の一例としてご参考いただければと思えます。

海外生活(マレーシア)ならではの楽しみは、「 一年中夏のマレーシアでは、皆気楽な格好で日々楽しんでいます。日本と違い、持ち物や着るもので人を判断することも少なく、多民族国家ならではの協調性やお互いを尊重する雰囲気やそれぞれの文化を経験出来ます。」

日本では味わえないリラックスした海外生活を過ごされているのが伝わってきます。

 

掲載写真:(1枚目)マレーシアのモノレールから帰宅途中に撮った写真です。くたくたになっても、この夜景で癒されました。(2枚目)以前住んでいたコンドミニアムの庭。自然を残したリゾートの雰囲気が大好きでした。日本ではなかなか味わえないこの空間に、いつも感謝していました。(撮影/ご紹介:Yさん)

(インタビュー:2019年1月)

 

たくさんの日本人が東南アジアの求人に出会い、現地で就職しています。

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当記事取材協力は、マレーシアの海外就職人材紹介会社桜リクルート社マレーシア

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