【海外就職 タイ バンコク近郊】日系企業で働くRさん(女性・30代後半)
東南アジアで現地採用として働く日本人の皆さんの声をお届けする「海外就職成功者インタビュー」、今回はタイ・バンコク近郊の日系企業で働く30代の日本人女性にお話を伺いました。
海外就職先に「タイ」を選んだ理由は?
もともと仕事をしながら旅行することを前提に国を探していて、私自身が過去にアジア近辺を旅行したことがなく、タイを中心にすることでアジア周辺国にも旅行がしやすい、と考えたからです。
仕事をしながら旅行することを前提にお仕事をされる国を探したとは?何か別の理由もありますか?
そうですね。
別の理由と言いますか、根本の理由として私自身のイメージしてきたライフプランニングがありました。
20代はプライベートよりも仕事の経験値を優先的に積む、30代はプライベートを重視したスタイルでいく、という大前提です。
30代に入ってから「自分自身」にもっとプライベートでの思い出を増やしていきたい、そこから、旅行をたくさんして景色や人とのかかわりを増やしていきたい、と派生していった結果、海外での転職を決意しタイを選択しました。
バンコクの就職先は日系企業ですか?
日系企業です。
就職先での仕事内容を教えてください。
日系メーカーのお客様相談室窓口/コールセンター業務を行っています。
お客様は日本に住んでいる日本人で、主にお客様の要望や苦情を承る窓口です。
そのお仕事の経験はありましたか?
ありました。
その前はどのような仕事をされていましたか?
日本では広告営業、コールセンターのトレーナー、簿記とコンピュータの講師をしておりました。
多岐にわたる職種の経験で、今のご本人に特に影響を与えたお仕事や経験はございますか?
特に影響を与えたのは講師ですね。
回答が導きだせない問題点を探り出し、それに対していかに理解しやすく伝えることができるか、という経験を磨くことができました。
受講生の方々は、私が解説をする時間に対価を支払って下さっていましたので、その立場に日々良いプレッシャーを感じながら、毎日授業を行っておりました。
講師という立場は、自分の伝え方によって対象となるものへの理解や考え方を左右させてしまいますし、下手をすると受講生の方々のそのものへの「好き・嫌い」の判断をするきっかけにもなってしまいます。
自分の伝え方のせいで資格の合否自体に関わってきてしまいますし、そうともなるとその方の人生まで左右してしまうことになりますので、国家資格の対策授業などは本当に神経をつかいましたね。
この講師経験のおかげで、顔が見えないコールセンターでの電話応対スキルを磨くことができましたし、大きな数字を動かす広告営業へ活かすことができました。
私が選んできた全ての職種は、困っている方や悩んでいる方のサポートをしたい、私が関わることで相手がメリットを感じてもらいたいという共通した礎で選んできました。
相手の求める課題を探り出し、求める回答を明確に伝えるという基盤を構築できたのは講師経験のおかげだと思います。
タイでの就職活動期間を教えてください。
約1ヶ月です。
既にタイに住んでいましたので、まずは人材紹介会社の方に面談していただき、そこから企業との面接を2回、日本にある本社の方との電話面接が1回の計3回でした。
就職が決まる前に、既にタイに住まわれていたとのことですが?
今の会社に就職する前は、1年間別の会社で働いておりました。
そこでもコールセンターでしたが、給料とスキルアップを含めて今の会社に転職いたしました。
タイ・海外で働くために必要なことは何でしょうか?
コミュニケーション能力と行動力、日本人としての礼儀だと思います。
コミュニケーション能力と行動力については、それさえあればどこの海外に行っても通用すると思いますが、「日本人としての礼儀」はタイだからこそ必要だと感じます。
タイの方々は日本や日本人に対してとても好意的です。
私たちはタイの人々にとって「外人」なわけですが、その外人に対してこんなに笑顔で優しく好意的に接してくれる国はあまりないなと住んでいて感じました。
ただし、日本人特有と言われる謙虚さは、仕事上必要無いと思います。
むしろこちらが積極的にいかないと物事が全然進まない時が多いですので、日本にいる時以上の行動力が必要ですね。
「日本人としての礼儀」ですが、具体的な例はございますか?
例えば、
・相手に挨拶や感謝の言葉を伝えるときにお辞儀をする
・地下鉄や、お店などで整列して並ぶ
・バスや電車の中でお年寄りや子供、女性を優先に席を譲る
などですが、この辺りの感覚がタイの方は日本人と近いなと感じます。
現在どのような資格をお持ちですか?
日本語教師、普通免許、他も資格は持っていますが過去に取得したもののため、特に今は役立っていません。
過去に海外の経験はお持ちですか?(留学・就職・旅行など)
英語留学でフィジーに3ヶ月(離島に短期滞在したかったことがメインでした)、ワーキングホリデーでオーストラリアに1年住んでいたことがあります。
タイでの休日はどう過ごしていますか?
休日は、タイの食材を使って料理を作っています。
市場やマーケットに足を運ぶと日本では食べたことのない食材がたくさんあるので、どのような料理になるだろうと作ることがとても楽しいです。
作るのは創作料理になりますが、タイの食材(特に葉物や缶詰や調味料)は種類が豊富なので、毎回買っては「これと合わせたらどうだろう」と試行錯誤しています。
特にタイ独特のチリソースや味噌ソースなどの調味料を使って春巻きや炒め物を作ってみたりして、 日本に帰国した時にタイの調味料を使って家族や友人へタイ・オリジナルの料理を振る舞えるように日々練習しています。
また、隣国や島へ週末にミニトリップしに行くことも多々ありますし、人種関係なくご飯に行ったりビリヤードやサバイバルゲームをしに行ったりします。
アウトドア、インドアどちらのスタイルでも楽しく過ごせますね。
タイでのお住まいはどうされていますか?
住まいはコンドミニアムではなく、地元系ホテルの1部をレジデンスとして借りています。月10000バーツ(日本円で30000円程)くらいの予算でキッチン付き、広さは1Kと1DKのちょうど中間くらいです。
タイのどこが好きですか?嫌いですか?
好きなところ→いつも笑顔、優しい、気が長い、細かいところを気にしない。
嫌いなところ→渋滞、時間の約束はあってないようなもの、外人なのでぼったくろうとしてくる。
これからタイで海外就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?
タイは都会だと英語が通じますし、英語が話せるとより仕事を探す幅は広がります。
また、何か1つ技術的なスキルを持っておくとより仕事を探しやすいです。
特にバンコクは製造系/運輸系/生産ライン管理/IT系が多いので、その辺りのスキルや経験があると給料の高い職種に就職しやすいと思います。
企業によっては、人員の問題などで残業をいつもする会社、しなくてもよい会社があるので、事前にしっかりとヒアリングした上でお仕事を探すとよいと思います。
インタビューを終えて
オフィスツールを使っての資料やデータ入力フォームを作ることが得意だとおっしゃるRさん、今後は自らの事業を始め、もっと自由がきくライフスタイルの構築を考えているとのこと。
自分のライフスタイルに合わせた目標設定と行動計画は、日々の仕事や生活で忘れがちになるものです。
特に海外に住むと、あっと間に年月が経ってしまいます。
そういう中、いつまでに何をすべきか?という時間軸で考えることの大切さを、改めて考えさせられたインタビューでした。
Rさんからは、メールでの各項目への質問に、的確なご回答をいただきました。
ご回答の中の講師の経験「相手の求めること」を探り出す力が、メールでのやり取りの中にも活きていると感じました。
掲載写真:こちらの写真は自分へのご褒美を兼ねてルブアホテル(五つ星ホテル)へ泊まった時のものです。
バンコクは屋台が並ぶローカルな風景の他にも、このような都会な景色もあって気分転換を楽しむことが出来ますよ!(撮影/ご紹介:Rさん)
(インタビュー:2018年5月)
たくさんの日本人が東南アジアの求人に出会い、現地で就職しています。
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当記事取材協力は、タイの海外就職人材紹介会社 エコアズ・タイランド