【海外就職 マレーシア クアラルンプール】起業家のRさん(女性・30代前半)
マレーシア・クアラルンプールで教育関係のビジネスを起業されているRさんにインタビューしました。
●何故マレーシアで就職をされましたか?
きっかけは、シンガポールの会社に採用されたことです。
その会社がマレーシアに支社を出すことになり、そのときの日本人責任者として、赴任したのがきっかけです。
●入社した会社は日本企業ですか?
当初シンガポールで入社したのは、日本の企業からライセンスを認可された、シンガポール法人です。
日本人も当初は数多く採用されていましたが、現在はほぼローカルスタッフです。
●マレーシアの前にシンガポールで就職されたとのことですが、シンガポールに就職した理由は何故ですか?
自分の持っている知識や経験を海外で活かせる場所で働きたいというのが一番の理由です。
●仕事の内容について教えてください。
シンガポール人、マレーシア人を対象とした幼児教室のインストラクターおよび、日本のシラバスをローカル向けにアレンジしたり、翻訳したりすることもしていました(シラバスとは指導要綱。つまり、指導マニュアルです)。
シンガポールから異動したマレーシア支社では日本のマニュアルを翻訳し、現地向けにそれをアレンジし、実際に生徒さんに教えるという仕事内容でした。
起業後は自社システム、カリキュラムを作り、年齢の異なった子どもたちの成長に合わせて、日本の指導要綱や教育文化を積極的に取り入れ、また、現地の文化や環境に対応した指導要綱を作っています。
また、現在は現地の指導者を育成する仕事もメイン業務としてやっています。
●経験はありましたか?
日本人を対象にした同じ職種は経験がありましたが、英語でのインストラクター経験はゼロでした。
●就職が決まるまでの活動期間を教えてください。
約1週間です。
●これはシンガポールで働く時の就職活動期間ですか?
Yes.
雇用主が実際に日本に出向いての面接、採用でしたので、とても短期間に採用決定をいただきました。
●ところで、マレーシアで働く為に必要なものは何と思われますか?
最低限の英語力と、間違えを恐れない勇気と度胸だと思います。
人種や宗教によって、考え方や習慣が違うので それを理解し、受け入れることも非常に大切だと思います。
「自分力」というか、自分の意見をはっきり言えることが必要だと思います。
これはマレーシアだけではなく、どの国においても同じですが、プロとして海外で働く以上、日本人としてのプライドを持って働く必要があると思います。
「日本人としての誇り」- 文化や宗教についてよく理解しておくと 現地の人々との会話で役に立つでしょうし、もっとも自分の国のことを知らない人が文化の異なる人々を理解するのは難しいでしょう。
●現在どのような資格をお持ちでしょうか?
メンタルトレーナー、知能研究所、インストラクター資格
●過去に海外の経験はございますか?
学生時代にアメリカで1年間語学学校に通いました。
●休日はどう過ごしていますか?
ローカルの友人たちと食事に行ったり、日帰り旅行に出かけることがほとんどです。
●お住まいはどうされていますか?
会社の社宅に住んでいます。
●マレーシアのどこが好きですか?また、嫌いですか?
多民族なので、食べ物のチョイスが多いことです。
ほとんど好き嫌いなく食べられます。
そして、とても安い!
物価も比較的安い。
嫌いな部分は 時間にルーズなところ。
会議やコンサート等が遅れて始まることは当たり前。
結婚式さえも1時間以上遅れることもしょっちゅうです。
人種によっては、勤勉性にかけることが多く見受けられる点は残念です。(全体の総評であって、個人的にそうでない人もたくさんいます)
雨の日や、朝晩の交通渋滞。
はっきりいって、これだけで、一日のカロリーを消費しているようなものです。
●これから就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?
英語ができるというのは ただの道具であって、その道具をどう使うのかが問題です。
ただ英語に興味があるというだけでは、別にあなたを採用しなくてもほかに代わりはいるということを忘れないで欲しいです。
逆にあなた自身の能力ややりたいことがはっきりしていて、でも語学力が不安だ、と言う人は サポーターがみつかるはずです。
チャレンジしてみてください。
海外で働くということは日本人という看板をしょって歩いているということです。
日本人としての誇りと、最低限の日本についての知識を持っていると、現地の人との交流に花が咲くでしょう。
『郷に入っては郷に従え』。
日本での経験を生かすとともに、現地の人々の文化等を受け入れる心の余裕を持っている必要があるでしょう。
特にマレーシアでは要求されると思います。
国内・国外を問わず、就職を考える際はみなさんにまずしっかりと自己分析をしていただきたいと思います。
その上で、自分はどのように企業・社会に貢献できるかを導き出してください。
あなた自身がどんな人物でどんな強みを持っているのかを知っていると、自信をもって行動することができます。
インタビューを終えて
「学校の勉強や資格取得も重要ですが、生きる力、自立した人物を世界中で育成していこうと思っています」とその目標と理念をお伝えいただいたRさん。
これから海外就職を考えている人たちの少しでも参考になればという思いで、インタビューに協力していただきました。
海外で起業するということは、強い意志と、その反面まわりの地元の人たちのあたたかい協力なくしては不可能なことです。
インタビューを終え、日本人としての自分、地元の人たちとの接し方、社会への貢献などを改めて考えさせられました。