【海外就職 タイ バンコク】日系企業で働くHさん(男性・40代後半)
タイ(バンコク)の日系企業で働くHさんにお話を伺いました。
●入社した会社は日本企業ですか?
日本に本社のある日本企業です。
●現在の仕事の内容について教えてください。
内装デザイン・施工の会社で営業及びプロジェクトの管理をしています。
●(そのお仕事の)経験はありましたか?
建築、内装などのデザインに携わる方とプロジェクトを組んだことはありますが、今のように専門的な立場から関わったことはありません。
●その前はどのような仕事をされていましたか?
日本では、市場性調査、マーケティングプランニング、事業計画立案などを民間企業、行政関係機関などから外注で請け負う会社にいました。
そこでは営業をしていました。
●前職では日本で何年働かれましたか?
中途で入った会社ですが、タイに来る年の1999年までの約7年間です。
●就職が決まるまでの活動期間を教えてください。
知人の紹介だったので、活動期間のようなものはありませんでした。
●タイで働く為に必要なのは何と思われますか?
職場でも日常生活でもタイという国、あるいはタイ人と付き合っていく必要がありますが、キーワードは寛容の精神でしょうか。
さらに付け加えると、常に自分のちがう感性の人間がどのような思考、行動をするかを予測する癖をつけることです。
●現在どのような資格をお持ちですか?
タイと日本の運転免許を持ってます。
●過去に海外の経験はございますか?
高校生時代のホームステイ(アメリカ合衆国で1ヶ月)と旅行以外ではありません。
●休日はどう過ごしていますか?
昼間は家にいるか買い物。
夜は、食事とお酒ですね。
お酒といっても気分によって様々なところへ顔を出します。
バンコクは選択肢が豊富ですから。
●お住まいはどうされていますか?
日本風に言うと賃貸のマンション。
タイでは、コンドミニアムと呼ばれるところです。
●タイのどこか好きですか?嫌いですか?
好きなところは、まずは気候。温暖なところが気に入ってます。
あと、食に関する選択肢が多く、比較的安いことです。
特に、日本食は世界のどこよりも種類が豊富でレベルが高いと思います。
もちろんこれはタイ人の食へのこだわりに起因していることだと思いますが。
嫌いなところは、日によって酒類の販売禁止などの規制がある事でしょうか。
そのせいで、その日は夜間の飲食店が早く閉まってしまいます。
また、屋台以外で夜中に食べる場所があまりない事も・・・・・・。
日本みたいに夜明け前に牛丼を食べたりしたいです。
タクシーの料金のふっかけと乗車拒否も嫌いですが、でも料金が異常に安いので仕方ないのでしょうね。
●これからタイで就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?
先ほどの回答と重複しますが、タイで仕事をすると言う事は、タイという国で働く事、タイ人と働くと言う事です。
タイの風習、文化、宗教はもちろん、タイ人の仕事観、癖を理解しなくてはなりません。
タイ人がいい加減だとか、すぐ怠けたがると文句を言ってもはじまりません。
自分の感じるタイ人のマイナス面を自分自身でカバーすることが自分の存在理由くらいに考えた方がいいです。
インタビューを終えて
Hさんご本人は13年間、タイにご滞在とのこと。
その間の特に近年は、クーデター、その後の政治体制によるタイの騒乱、記憶に新しいバンコクの洪水と色々な事がありました。
報道を他国から見る日本人としては、タイでの日系企業や日本人の経済活動を不安視する人も多かったのではないでしょうか。
そういう事が起きる中で変わらずタイに留まり、仕事をしている日本企業や日本人が多くいる事は、けっして不安要素のみではない気がします。
また、前回タイを訪れた折には、日本人を雇用したいのだけれども人がいないと言う声も聞きました。
その様な環境の中で、外国人と働くとはどういう事なのでしょうか?
それはHさんがお答えの様に、その国の仕事観を把握し、ある面受け入れる寛容さが必要かもしれません。
しかしながら、現実には顧客の要求、やらなければならない事と板挟みになる事も多くあるでしょう。
そのバランスをどう保つか、自分の存在理由は何であるかを考える、それがHさんのアドバイスの言葉だと思います。
今回Hさんにはメールでお話をいただましたが、個人的にもお会いした事もあり、ご本人を想像しながら各質問へのご回答を読みました。
今回のインタビューでは、長く海外で働く事の、またそれを可能にするヒントをお伝えいただいた気がします。
(取材’12年3月)