【海外就職 シンガポール】日系企業で働くCさん(女性・30代前半)

シンガポールの欧米系企業で日本のITサポートを担当しているCさんにお会いしました。

●何故シンガポールで就職されましたか?

私は大学で中国文学を学んでいましたが、そこで学んだ中国語は言語そのものでなく、その名のとおり文学を学ぶというものでした。

卒業後に生の中国語を身につけたいという気持ちがあり、母校(大学)の講師から勧められたシンガポール大学の中国語習得コースに留学しました。

当初はコース終了後には日本に帰る予定でしたが、ここに住むうちに、シンガポールで働いてみようかな、と思い始めました。

私が来星した10年程前は新卒のシンガポール就職は今よりも狭き門でした。

断られ続けている中で、たまたま親身になっていただける人材紹介会社の方のご助力もあり、縁あり就職することができました。

●入社した会社は日本企業ですか?

はい、そうです。

新卒時には日系企業(半導体工場)の英語及び中国語の通訳・翻訳を担当する契約社員という立場でした。

半導体の装置を販売する日系企業に営業社員として転職し、その後半導体装置の技術サポートの仕事を経て、今の企業(欧米系IT企業)に転職しました。

●現在の仕事の内容について教えてください。

日本からのお問い合わせに対するコンピューターソフトのサポート業務です。

日本語で日本のお客様に対応をし、社内のローカル社員との打ち合わせ等は英語も使用しています。

それ以前は、勉強をした中国語やインドネシア語を生かす仕事でしたが。

●経験はありましたか?

いいえ、ありませんでした。

●その前にはどのような仕事をされていましたか?

私自身はシンガポールで新卒として就職しましたので、日本での職歴はありません。

ただシンガポールの職歴は主に中国語を生かして、経験のあった半導体の生産に関係する仕事をやってきました。

●就職が決まるまでの活動期間を教えてください。

留学期間を終えた新卒時の就職活動期間は約2ヶ月です。

あきらめなかったことが仕事を見つけ得た理由だと、今考えるとそう思います。

今回は5ヶ月くらいでしょうか、と言いましてもその間フルに就職活動をしたわけではありません。

それはPR(シンガポール永住権)を持っていることと、今までのお付き合いから通訳・翻訳のご依頼をいただいてちょっとした収入もあったからです。

CPF(*)などPR保持者にとってのメリットを考慮に入れ、再就職を考え始めました。

当地の英語の就職サイトに求職者として登録をしていたところ、該当する求人があるということで広告を掲載していた人材会社から連絡を受けて、面接に行きました。

面接ですんなりと今の会社で働くことが決まりました。

●シンガポールで働く為に必要なのは何と思われますか?

異文化の中で仕事をし、生活をしていかなければならなりません。

得てして日本人であることの常識は通用しないことがあります。

精神面で強いこと。

柔軟性を持つことです。

やる気、そして(その分野での)専門性が単なる語学力よりも重要です。

●現在どの様な資格をお持ちですか?

アリアンセ・フランセでのフランス語上級です。

●過去に海外の経験はございますか?

ありません。

●休日はどう過ごしていますか?

アウトドア、インドア・スポーツをしたり、フランス語の勉強をしたりしています。

●お住まいはどうされていますか?

アパートを1ユニット借りて住んでいます。

●シンガポールのどこが好きですか、嫌いですか?

好きなところは、治安がよいところ、30歳を過ぎても仕事が見つかりやすいというところです。

嫌いなところは、一般的なマナーの悪さ・時間にルーズなところ・何かとすぐお金の話をしたがるところなどです(日本人と比べて)。

日本人がちゃんとしすぎているのかもしれませんが・・・・・・。

シンガポールで日本人として働くということは、私が申し上げた「嫌いな」時間にルーズなところなどは朱に交われば~とならないことでしょうね。

●これから就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?

シンガポールは住んでみると住みやすい国です。

ただ、その本人の受け取り方もあると思います。

まずは観光で来てみて、長めの滞在でこの国での生活の様子を見てみてはどうでしょうか?

はたして生活していけるのかどうか(苦痛を感じないか)?

そして、大丈夫と思えるのであれば、まずは1年、2年程度働いてみるという具合に。

まったく知らないで来る事(働き始める事)は、お勧めできません。

もし、色々な関係で滞在型の旅行ができないということでしたら、こちらに面接で来られる時に、長めに滞在されてみるということもできるでしょう。

あまい考えは賛成できませんが、物事は何とかなるものです。

また、あれもこれもと細かく考えすぎも物事は先に進まないと思えますので。

インタビューを終えて

新卒時での海外の就職活動では苦労されたようですが、あきらめないことが今に繋がっているとおっしゃるCさん。

これから就職をお考えの方々に少しでも参考になればということで、快くインタビューに応じていただきました。

フランスにも住んでみたいが、アジアが心地よいと笑って語る一連の会話の中で、明るい性格の努力家であることを感じました。

意外だったのは、英語や中国語の通訳・翻訳でプロの仕事をされてきたご本人が、「語学は何とかなるもの。必要なのはタフであること、柔軟なこと、やる気、(業務上の)専門性を持つこと」など別な面を強調されたことです。

(*)CPF:Central Provident Fundというシンガポール国民、PR(永住権)保持者が加入する年金医療積み立て金制度。その一部は住宅購入の支払いに充てることができる。積立金は年齢層などによっても異なる。

(インタビュー’07年)

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