シンガポールの外国人雇用に関わるルール変更について
シンガポールの労働ビザに関わる変更
2018年7月1日から、シンガポールでは、2つの外国人雇用制度の変更が行われました。
1 - シンガポールのSパス取得枠計算(給与額の変更)
シンガポールで外国人(日本人を含む)が働く就労ビザのひとつに、Sパスというカテゴリーがあります。
Sパスとは、一定数のシンガポール人・永住権保持者を雇用している企業に割り当てられる就労ビザ。
EP(Employment Pass 通常の就労ビザ)よりも安い給与(2,200シンガポールドルから)で外国人を雇うことができ、利用する企業も多いものです。
サービス業ではシンガポール人・永住権保持者の社員の15%(およそ7人に1人)、その他の業種では同じく20%(5人に1人)まで外国人をSパスで雇うことができます。
この割合に変わりはありませんが、シンガポール人・永住権保持者の社員数を数える基準給与額の引き上げがありました。
シンガポール人や永住権保持者を雇用さえすればSパスで雇えるわけではなく、基準額以上の給与を得ていなけれな1人として数えることができません。
旧規定 $1,100以上/1人 $550-$1,099/0.5人 |
→ |
新規定 $1,200以上/1人 $600-$1,199/0.5人 |
$1,000 → $1,200、わずかな額ですが、実質、Sパスの取得基準があがったことになります。
詳細は下記をご確認ください。
Sパス枠算出のもとになる従業員数の計算基準(PDF)
2 – シンガポールの就労ビザEP(Employment Pass)申請に義務付けられている政府求人サイトへの求人掲載の除外規定
企業はエンプロイメントパス(EP)を申請する前に、政府が運営する求人サイトに、その求人を一定期間掲載する義務があります。
これは外国人を雇う前に、シンガポール人にその求人の該当者がいないか広く募集する意味を持ちます。
求人の掲載は、社員数が少ない企業や給与の高い求人は掲載義務が免除されていました。
これらの基準が変更、より厳しいものとなりました。
求人掲載が免除になる基準
旧規定 |
社員25名以下の企業の求人は掲載免除 |
月給12,000ドル以上の給与額の求人は掲載免除 |
→ |
新規定 |
社員10名以下の企業の求人は掲載免除 |
月給15,000ドル以上の給与額の求人は掲載免除 |
詳細は下記をご確認ください。
http://www.mom.gov.sg/employment-practices/fair-consideration-framework
企業サイドへの外国人雇用のハードルがあがることは、求職者の皆さんの就職活動に多少とも影響すると考えられます。