シンガポールで人材提案業を営む佐藤氏に聞きました

シンガポールで人材提案業「セールスブリッジ」を営む佐藤氏にシンガポールでの就職事情を語って頂きました。

●シンガポールの可能性とここで働くことの意義をどうお考えですか?

ご自分のされている仕事に意義を感じることはとても大切です。

今していることに大いなる意義を感じているのであれば、働く場所はシンガポールに限らず世界中のどこであってもそれはとても素晴らしいことだと思います。

ただ、ご自身の今後進みたい方向や目標、学びたいことや身につけたいスキルなどによっては、働く地域や場所を特定することも選択肢のひとつになると思います。

世界には多くの国々や地域がありますが、その中でも我々日本人のみならず外国人にとってシンガポールは、最も働き易い国のひとつだと思います。

多くの理由が挙げられますが、まず政治が安定しているのが一番大きいと思います。

国の施策がはっきりしていて、進む方向が明確に示されていることに安心感を覚えるのと同時に、国家として生き残りのための必死な努力、例えば外国の優秀な人材や企業からシンガポールに来てもらいたいという国を挙げてのキャンペーンやPRに好感が持てます。

そうした透明さがその他諸々の国家戦略と相俟って、企業や人、それにお金も集まり、シンガポールをして世界経済の中でも重要なひとつのハブたらんことに成功しているのだと思います。

そのような拠点、センターに身をおいて、実際に働き収入を得、生活を体験することは、今後の皆さんの人生の中においても大きな学びの機会になるのでないかと思います。

また、都市国家としてのシンガポールは世界の民族や宗教が入り混じり独特の多様性を形成していますが、そうしたいろいろな文化から成るいろいろな価値観と出会えること、その中で自分自身と向き合い自分のアイデンティティーを再発見するということも、シンガポールで働きそして暮らすことの意義のひとつだと思います。

日本はとても素晴らしい国ですが、日本以外の国の仕組みやシステムを見たり考えたり体験したりすること、そして世界や人は多様であるということを実感し、認め合うことはとても大切なことではないかと思います。

御社の顧客である企業が求める人材像を教えてください。

私たちの顧客企業は、約8割が日系企業で残りの2割程度が欧米系や地元系の企業という構成になっています。

また提案人材の殆どが営業系とIT系の人材となっています。

そのため求められる人材像も、その範囲での話しになってしまいますが、まず、日系企業は特定の職種についてのスキルや経験もさることながら、多少の困難があってもやり抜く覚悟といいますか、コミットメントがしっかりしている人材が求められていると言えるかと思います。

日系企業の現地化は今後継続して行なわれると予想され、従って現地採用の日本人に対する採用ニーズもまた、引き続き高い傾向を持続するものと思われます。

一方、欧米系企業または地元系企業も就業のチャンスは年々増えていると思います。

背景には、日本に進出したい、日系企業と取引をしたいというニーズがあり、対日系企業、日系顧客担当というポジションに求人があるようです。

それらの企業が求めている人材の特徴としては、端的に申しますと即戦力です。

営業職で言えば、積極的で即結果が出せる人材となるかと思います。

実際の勤務は、それぞれの職場で若干差異はあるかと思いますが、往々にして、これまで皆さんが慣れ親しんできた日本の商習慣や考え方とは全く異なる職場環境での勤務となると思われます。

しかし、そうした環境の変化に慣れ親しむことが出来れば、自らの変化値もまた大きく、同時に成長の可能性も高いと思われます。

私たちが扱わせて頂いている営業系のポジション/職位としては、セールス・エグゼクティブ、セールス・マネジャーが多く、また業界分布としては、IT/通信系が伝統的に多くなっております。

業界的にはその他、半導体/電子部品系、電機系販社、ヘルスケア系販社なども扱わせて頂いております。

IT系のポジションとしましては、最近多いのは、WAN系のネットワーク・エンジニアに対するニーズです。

その他、システム、ネットワーク、データベース管理者のポジションやソフトウェア/アプリケーション開発のポジション、それにERPなどの業務用アプリケーションなどの導入/サポート・コンサルタントなどもポジションもまた扱わせて頂いております。

またこれらとは別に、金融業界、それに飲食業界のポジションもお引合いを頂いております。

金融業界はバックオフィス系の人材やトレーダー、飲食業界は、顧客サービスとスタッフ・トレーニングのスペシャリストといったところにニーズがあるように思います。

●これからこちらで働くことを考えている人たちへのアドバイスを頂けますか?

まず始めにプロ意識を持つことをお願いし、お勧めします。

先程述べた「企業が求めている人材像」と重複しますが、私たちも私たちの顧客企業もプロフェッショナルな人材を求めていて、皆さんにはプロフェッショナルであって頂きたいと願っています。

私たちが定義する「プロフェッショナル」とは、華々しい過去の学歴や職歴ではなく、これから挑戦しようという何か新しいこと、そのひとつのことに誠意と情熱をもって取り組み、そして一度決めたことは継続的な努力を持ってやり遂げるという意思の強さと覚悟を持った人です。

そんな人たちを私たちは応援したいと願っていますし、私たちの顧客企業も、そんな方々を採用したいはずですので、皆さんには是非プロであるという意識を持って頂きたいと思っています。

次に、ご自分が何をしたいのか、どのような業界でどういう仕事をしたいのかを決めることをお勧めします。

堅苦しく思われるかも知れませんが、万事、“Where there is a will, there is a way.” 「意志あるところに道あり」、だと思います。

その意志に我々人材会社も共感し、企業にご提案する際も力が入ります。

たまに「シンガポールで働く」、ということだけを目的に掲げていらっしゃる方々もおられますが、それだけでは不十分で、その「もう一歩先」に目を向けて頂きたいと思っています。

「英語を使う環境で働きたい」と言われる方々も同様です。

英語だけでしたら、ネイティブ・スピーカーの国へ行かれることをお勧めします。

その「もう一歩先」は個々人の人生の目的に直結しているもので、その線上にあるシンガポールという勤務地、生活の場所、何にチャレンジし、何を克服し、何を達成するかなどについて、聞かれたら答えられるようにしておくことはとても大切だと思います。

最後に資金計画についてですが、近年インターネットの普及と利用に伴い、海外就職に関する情報がインターネット前と比べると容易に入手できるようになりました。

またシンガポールはある一定の条件さえ満たせば、他の諸外国と比べ比較的容易に就労ビザの取得が可能だということもあり、中にはとても安易な気持ちで来られる方々も多いように見受けられます。

ただ実際生活するとなると案外費用もかかります。

住む部屋を借りようと思えば2ヶ月分の家賃が敷金に相当するデポジットとして必要になりますし、契約時には最初の月の家賃は先払いとなりますから、合わせて3ヶ月分の家賃に相当するお金が一挙に出て行ってしまいます。

働き出してもお給料を頂けるのは一ヵ月後ということを考えますと、まとまったお金が一番最初に必要になることになります。

従いまして、このような資金についてもしっかりとお考えになられて全体を計画されることをお勧めします。

●最期に御社のサービスについてお話ください。

人材提案業を営んでおります。

良い人材を採用したいという企業の人材探しのお手伝いをしております。

回転寿司ではない握りの寿司屋のようなサービスの提供を目指しています。

セールスブリッジのウェブサイト

アジアで求められる人材とは・・・トップへ戻る

あなたも「アジアdeオシゴト」で東南アジアへ

アジオシには東南アジア各国(シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・ベトナム・カンボジア・ミャンマー・フィリピンなど)の日本人向け求人が毎日アップデートされています。