【海外就職 タイ バンコク近郊】地元企業で働くMさん(男性・30代後半)
タイの食品メーカーの会社経営・工場管理をされているMさんにお話を伺いました。
●何故タイで就職されましたか?
姉が二人とも海外で働いていたこともあり、気づいたら海外で働くことが目標でした。
ただ、日本で最低限の職歴はないといけないと考えて、新卒の時は日本で就職しました。
2年くらいたってから働きながらずっと海外移住の準備をしていました。
特にどこの国というのはなかったのですが、正直タイは語学力や求められる能力のハードルが低く、当時の自分には適当だったのだと思います。
●特にどこの国というのはなかったそうですが、そういう中でタイに来られた何かきっかけはありましたでしょうか?
本当に偶然です。
海外旅行が好きで、学生時代からいろんな国に行っていました。
そして日本の会社を辞めて最初に来た国がタイでした、もしこれがベトナムだったらベトナムで就職していたかもしれません。
旅行で来ているのと、次の移住先を考えて滞在しているので見方も違ったのだと思います。
ただ当時の自分の実力から先進国で働くという考えはあまりなかったです。
●入社した会社は日本企業ですか?
最初に働いた会社は日系ですが、現在はタイ企業で働いています。
●現在の仕事の内容について教えてください。
会社の経営です。
経営という大きな役割と、開発、生産管理、品質管理、営業など一応すべて直接管理しています。
●(そのお仕事の)経験はありましたか?
前に働いた会社での役職は工場長だったので、会社の方針などを考える以外は実務経験がありました。
●その前はどのような仕事をされていましたか?
日本では食品メーカーの商品開発、タイでは同じ業界の会社の工場長でした。
●就職が決まるまでの活動期間を教えてください。
今の仕事は知人の紹介ですので、活動期間というのはありません。
●タイで働き始めの1社目はどの様にして仕事を探されたのでしょうか?また、その就職活動期間はどのくらいだったでしょうか?
タイで1社目の職探しは人材紹介会社に登録して探しました。
就職活動期間は実際は1週間です。
ただ1ヵ月くらいは日本でネットでいろいろ調査はしていました。
具体的には人材紹介会社に履歴書を送って自分の経歴で仕事は見つかるか?などの質問をして、タイに行った際の面接のアポイントを取ることをしていました。
●タイで働く為に必要なのは何と思われますか?
日本人としての一般常識を持ちながら、タイ文化も理解してその双方の良い点、悪い点を選択できる能力。
日本のやり方が必ずしも正しいことばかりでもなく、押し付けるといろんなところで亀裂が発生します。
●現在どのような資格をお持ちですか?
日本の資格になりますが、管理栄養士、食品衛生監視員、食品衛生管理者です。
●過去に海外の経験はございますか?
タイが初めてです。
●英語のみだけではなく、仕事ではタイ語も必要でしょうか?どう習得されましたか?
1社目では英語だけで仕事をしていました。
英語と行っても中学生で習ったレベルですが・・・・・・。
2社目はタイ企業だったので英語で仕事をするというスタイルに社内からも反発もあり、タイ語でコミュニケーションをとる努力をしだしました。
おかげさまで今では大体のタイ語を理解することができるようになりました。
タイ語ができると現地の人との仕事はかなりスムーズになるのは確かです。
タイ語の勉強方法は独学です。
タイ語の辞書と本を何冊か買って、仕事上で分からない単語や文法が出てきたら、ノートにカタカナでメモをして家に帰って調べていました。
今でも時々分からない単語が出てきたらメモをして辞書で調べています。
●休日はどう過ごしていますか?
ほぼ毎週ゴルフに行っています。
もしゴルフの予定がない場合は前日友達と遅くまで飲んで、休日はゆっくりしています。
●お住まいはどうされていますか?
4年ほど前にコンドミニアムを購入しました。
●タイのどこか好きですか?嫌いですか?
好きなところは、たくさんありますが年齢の割りに高いポジションにつける可能性が日本よりあり、自分の判断でできる仕事が大きいことです。
嫌いなところはありません。
もちろん日常で文句はでますが、基本的にタイを受け入れるようにしています。
自分の第二の祖国ですから。
●これからタイで就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?
自分の能力を活かすことができ、評価をしてもらえる会社を探してください。
あとタイで働かしてもらっているのですから、タイ人を下にみたり、悪口は言う様な事はしない方がいいでしょう。
タイ人も同じ人間です。
インタビューを終えて
タイに来たのが2001年からなので、もうすぐ12年目になります。とおっしゃるMさん。
グループ会社の1角を担う会社の経営をされています。
タイで働く日本人がタイ人の事を揶揄するのは間違いだと、おっしゃる姿にはご自身の能力で今のポジションを勝ち得る中での経験が言わせているのだと思います。
以前実際にもお会いして、色々と話をさせていただく機会もありました。
周りの環境に流される日本人も多くいる中、タイを第2の故郷とおっしゃるその姿勢に、海外で働く場合の腰掛でない人の強さを感じます。
インタビューの中でも、(タイ人のみでなく)外国人と働くという視点で参考になる言葉もあります。
Mさんの働くグループでは、自分で数字を作っていく(売上・利益をあげていく)日本人も随時採用されているとのこと。
何ができるでなく、最初から何をして欲しいという希望をおっしゃる方が多いがちょっと、と・・・・・・。
労働・給与条件は自分の実績で勝ち取っていくもの、とのお考えとの事、そこに努力家であり経営者である姿を見た思いがします。
(インタビュー ’12年9月)