【海外就職 シンガポール】会社経営者のYさん(男性・50代前半)
シンガポールで会社経営者のYさんに伺いました。
●何故シンガポールで起業されましたか?
私の場合、純粋な起業と言うわけでなく、どちらかと言うと独立と言った方が良いかもしれません。
駐在員として任されていたシンガポール法人の撤退が決まった事がそのきっかけでした。
10年程前の事ですが、当時の大手顧客からの要請もあり、また会社運営の楽しさも知った事もあり、悩んだ挙句にその会社を買い取る事になりました。
数年の現地法人経営の経験から、自分でもできるという自信もありました。
それが、私が自分の会社を持つ事になった経由です。
●現在の仕事の内容について教えてください。
倉庫業を中心とした総合物流業の会社を経営しています。
●(そのお仕事の)経験はありましたか?
はい、シンガポールに駐在する前には、現場から営業まで経験しました。
●その前はどのような仕事をされていましたか?
大学卒業後一貫して同じ物流会社に所属し、現場から営業までと、その関連業務をしていました。
●シンガポールで会社を立ち上げる為に必要なのは何と思われますか?また、シンガポールで働く為に必要なのは何と思われますか?
会社立ち上げには、人との信用が必要であり、また人から信用を得る事が重要に思います。
ネットワーク作りをする中で、どう信用を得る事が出来るのか。
シンガポールで働く為には、日本人だけに限らずシンガポールは狭いコミュニティですので、自分にまじめに、他人に親切に対応する事でしょうか。
●現在どのような資格をお持ちですか?
日本での通関士・国際物流管理士の資格を持っています。
●過去に海外の経験はございますか?
特段海外の経験はなく、15年前のシンガポールへの赴任が海外生活のスタートでした。
●休日はどう過ごしていますか?
ロッククライミングなどの趣味を楽しんでいます。
●お住まいはどうされていますか?
コンドミニアムをユニット借りしていて、家族と一緒に暮らしています。
●シンガポールのどこが好きですか?嫌いですか?
好きなところは、国土が小さい為、移動が楽なところ、海外へも気軽に行けるところです。
人種の坩堝であるシンガポールでは、多文化を感じるのも刺激的です。
仕事面では、アジアにありながらも、法整備が整っていて、明確なのがいいですね。
嫌なところは、全てにおいてコスト高であるところです。
また、仕事面では競争が激しいのも・・・・・・。
●これからシンガポールで起業や就職を考えている人へのアドバイスは何かございますか?
起業と言う面では、情報の集まる場所・法整備の整っているという特徴を持つシンガポールという場を活かして、ここからシンガポールの外に仕事を広げていくという方向性を持った方が良いかもと思います。
シンガポール自体は小さいマーケットですので。
就職を考えている人には、アジアでは環境の良いシンガポールは、けっして物価は安くないという認識を持つ事でしょうか。
暮らしてみて、この物価高に、こんなはずではなかったと思わない様に。
インタビューを終えて
日本の本社のシンガポール撤退に伴い会社を買い取られたYさん、にこやかに穏やかにお話をされるその姿に、気負わず自然体という雰囲気を感じました。
ただ、お話を聞きますと、独立後に大手の顧客の撤退などが決まったなど、予期せぬ事に何度か直面されたとのこと。
にこやかにお話になるその内容からも、人知れずご苦労があった様です。
人から信用を得る事の大切さを説くお話に、会社設立は簡単ながらも継続が困難なこの国(シンガポール)で、10年間会社を続けられたヒントがある様な気がしました。
また、色々な形での会社経営・起業がある中、Yさんの様な本社の意向による現地法人撤退というピンチを、自らの人生のチャンスとする方法もあるのだと改めて気付かされました。
(インタビュー’12年6月)