【マレーシア情報】12月の動向 首相 国家復興評議会を解散
新型コロナウイルスによる国家的ダメージからの復興を担った「国家復興評議会」を解散(12月21日)したことが、マレーシアの12月の大きなニュース。
まだ油断はできませんが、ひとまず「マレーシアのコロナ禍はひと段落」と言っても過言ではありません。
政治
2月にも死刑廃止法案提出か=首相府相
アザリナ・オスマン首相府相(法務・制度改革担当)は12月22日、死刑に関連する法律の見直しを継続することで内閣が合意したと述べた。
首相 国家復興評議会を解散
新型コロナウイルスからの復興計画を進めていた国家復興評議会が12月21日に解散した。アンワル・イブラヒム首相が発表した。
低所得者向けの支援金、1月にも支給
アンワル首相は12月20日、下院議会で、イスマイル・サブリ前首相が率いる政権が決めた低所得者向けの支援金について、第1段階の支払いは、2023年3月ではなく1月から行う以降を示した。
23年度暫定予算、下院で可決=1077億リンギ規模
下院議会で12月20日、事実上の2023年度暫定予算案が可決した。ミニ予算と呼ばれるこの暫定的な運営予算は、2023年度の連邦予算が成立するまでの間の財政運営のためのもので、下院では「連結基金(会計上の支出)法案2022」という形で可決されている。
下院で首相の信任決議案が可決
議会下院が12月19日、初招集された。アンワル首相は開会初日に自身の信任決議案を提出。賛成多数で可決。
連立政権、政党間合意に署名=「マレーシア統一政権」が始動
先に行われた第15回総選挙の結果により樹立された連立政権が12月16日、関係の複数政党の間で合意に達し、覚書(MOU)に署名が行われた。なおこの連立政権は「マレーシア統一政権」と命名された。
アンワル内閣 閣僚発表
12月2日午後、アンワル内閣の閣僚が発表された。閣僚ポストは28人で、前イスマイル・サブリ政権時の32人からは減っている。組閣前からアンワル首相は、経費削減のために閣僚を減らす意向を示唆していた。
経済
5人未満企業への最低賃金引き上げ 7月まで延期
政府は12月27日、従業員が5人未満の企業に対する最低賃金を1,500リンギとする規則の実施時期について、当初の1月1日から7月への延期を決めた。
11月のインフレ率 4%上昇
マレーシア統計局が発表した2022年11月のインフレ率は、前年同月比4.0%上昇した。10月も4.0%の上昇だった。前月比では、0.3%上昇となっている。
10月の景気先行指数 0.4%プラス
マレーシア統計局が発表した、向こう4~6カ月の経済動向を示す景気先行指数(LI)は、前年同月比で0.4%のプラスとなった。9月の0.3%のプラスからわずかに加速した。
MATRADEの11月貿易統計 同月として過去最高
マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)が発表した2022年11月の貿易統計によると、貿易額、輸出額、輸入額、貿易黒字が同月として過去最高額を記録した。
産業向け電気料金 1月から大幅に引き上げ
政府傘下のエネルギー委員会は12月16日、マレー半島の産業向けの電気料金に課されているICPT料金を現行の1キロワットあたり0.037リンギから0.2リンギに引き上げると発表した。2023年1月1日から6月30日まで適用される。
10月の鉱工業生産、4.6%の上昇
マレーシア統計局が発表した2022年10月の鉱工業生産は4.6%の上昇となった。4カ月連続で2桁の伸びを記録したが、10月の統計が緩やかになったのは前年同月に記録した高い指数にも起因している。
10月の製造業売上高、12.9%増
マレーシア統計局が発表した2022年10月の製造業売上高は前年同月比12.9%増の1,589億リンギとなった。2桁成長と大きく伸びたのは、石油・化学・ゴム・プラスチック製品が23.8%、電気・電子製品が16.6%、食品・飲料・タバコ製品が4.6%とそれぞれのびたため。
10月の卸売・小売業の販売額、前年から15.2%増
マレーシア統計局が発表した2022年10月の卸売・小売業の販売額は1339億リンギとなり、前年同月比15.2%の伸びを記録した。このプラス成長は、小売業26.0%、自動車11.2%、卸売業7.3%と、すべてのサブセクターが寄与している。
10月の雇用統計、失業率は3.6%に改善
マレーシア統計局は、2022年10月の失業率が3.6%となったと明らかにした。9月から横ばいで、コロナ禍前の最低だった2020年2月の3.3%を0.3ポイント上回る水準にとどまっている。
11月の製造業PMI、47.9に低下
マレーシアの製造業は、2022年の最終四半期半ばにさらに減速し、需要の減退が最新の調査データの中心的な特徴であるとS&Pグローバルは述べている。
10月の生産者物価、4%増
マレーシア統計局が11月30日発表した2022年10月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比4.0%増となった。9月の4.9%増に比べ減速している。
渡航関係
バティック・エア 札幌と大阪へ乗り入れ=1月就航
バティック・エア(旧マリンドエア)は、クアラルンプール国際空港(KLIA)と日本とを結ぶ路線として、新千歳空港と関西国際空港への路線を就航する。いずれも台北経由で、就航日は千歳便が来年1月3日から、関西便が1月20日からの予定。
マレーシア航空、コタキナバル〜成田線を再開
マレーシア航空は、サバ州コタキナバル〜東京(成田)を結ぶ定期便の運航を、12月19日から再開した。コロナ禍の影響で運休していたもので、当面は月木曜に週2往復を運航する。
進出日系企業・日本関係
出光興産 屋根設置型太陽光発電所を導入
出光興産(本社・東京都千代田区)は12月16日、地場電子機器部品メーカーMFS Technology のマラッカ州製造工場の屋根に約0.8MWの太陽光発電設備を設置し、電力供給事業を開始すると発表した。マレーシアでの再生可能エネルギーのさらなる普及が目的。
IHI、ジェンタリとグリーンアンモニア製造で提携
IHI(本社・東京都江東区)は11月15日、国営石油ガス大手のペトロナスの子会社で、クリーンエネルギー事業を担うジェンタリ(Gentari)ヒドロゲン(GHSB)と、マレーシアにおいて、再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニア製造・販売の事業性を検討・調査する覚書を締結したと明らかにした。
味の素マレーシア 新工場をオープン
マレーシア味の素は、マレーシア進出60周年を機にクアラルンプール国際空港近郊の46エーカーの敷地に新工場をオープンした。
ニトリ、JB ミッドバレーに15日開業
生活雑貨家具販売ニトリのジョホール州1号店が12月15日オープンする。
疾病関係
中国からの入国者向けに水際対策強化=保健省
保健省は12月30日、中国の国境再開が2023年1月8日に実現することを受け、入国者の急増が予想される中、水際対策の強化を発表。
旅行業協会 中国からの入国停止を政府に要請
マレーシア旅行業協会(MATA)は、中国での新型コロナウイルスの感染が落ち着くまで、中国からの観光客の入国を一時的に停止するよう政府に要請。
オミクロン株の2価ワクチン 来年早々に入手可に
保健省のノール・ヒシャム衛生総監はこのほど、米国ファイザー製の新しい2価ワクチンを来年早々にも入手できるとの見通しを示した。
保健総監「医療従事者や高リスク者はブースター接種を」
ノール・ヒシャム保健総監は12月29日、中国で起きている新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医療従事者や健康上のリスクを抱える人々にコロナ対策ワクチンのブースター投与を推奨している。
24日までの年間デング熱患者数 前年比約150%増
保健省のノール・ヒシャム衛生総監は12月28日、年初から12月24日までのデング熱患者累計が6万4078人に達し、前年同期比148.4%増となったと発表。
中国の新型コロナ状況に懸念 4回目のブースター接種を促す
保健省のノール・ヒシャム衛生総監は12月27日、中国での新型コロナウイルスの感染者数が急増し、マレーシア国内でも感染者数が増える可能性があるため、4回目のブースター接種を促すと述べた。
新型コロナ新規感染者 400人台に
保健省は12月26日夜、前日の全国の新型コロナウイルスの新規感染者数が480人と発表した。2020年9月7日ぶりの400人台となった。国内の新規感染者数はパンデミック当初の2020年3月ごろの水準に戻りつつある。
マレーシアの注目ニュース
冗談で「荷物に爆弾」 即逮捕に=ペナンで
ペナン国際空港で12月29日、「バッグに爆弾が入っている」と冗談を飛ばした外国人女性が逮捕された。
土砂崩れ 国内で2番目に最悪な事故
12月16日に発生し、31人が死亡したスランゴール州バタンカリ地区の大規模土砂崩れによる被害は国内で2番目の災害だった。
管理事務所での身分証の保管は犯罪
マレーシア人の身分証を発行する国家登記局(NRD)は12月22日、コンドミニアムなど施設の管理事務所や守衛室などで外国人が身分証(MyKad)を保管することは犯罪との見解を示した。
国王をソーシャルメディア上で侮辱 男を逮捕
マレーシア国家警察は12月16日、国王を侮辱する内容をソーシャルメディア上に掲載したとして33歳の男を逮捕したと発表。
【お知らせ】マレーシアビジネス&生活ガイドブック2023
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情報提供:桜リクルート社マレーシア / Mega Global Media (M) S/B