【各国比較】東南アジア各国での宗教
人の行動の基盤には、宗教観というものがあります。
どういう宗教が信じられているのか?を調べると、その国をより知ることができます。
東南アジア各国では、どのような宗教が主流なのか?
シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン、カンボジア、ミャンマーについて見てみましょう。
シンガポール
- 仏教・道教 43.2%
- キリスト教 18.8%
- 無宗教 18.5%
- イスラム教 14%
- ヒンドゥー教 5%
華人系国民(約74%)が多いシンガポールでは、仏教・道教が43.2%となっています。
仏教・道教と同じくくりになっているのは、この2つの宗教が華人の生活で混在しているためです。
また、キリスト教徒も華人の割合が多くなります。
マレー系国民(約14% 人口と宗教が同比率)がイスラム教徒、インド系国民(約9%)がヒンドゥー教徒という具合に、大まかに民族ごと宗教観が異なります。
マレーシア
- イスラム教 61%
- 仏教 20%
- キリスト教 9%
- ヒンドゥー教 6%
マレーシアは、国の宗教がイスラム教です。
しかしながら、イスラム教徒は国民全体の60%程度にとどまっています。
人口の約67%がマレー系国民、華人系国民約25%、インド系国民約7%です。
シンガポール同様、大まかに民族ごと宗教観が異なります。
(参考)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/malaysia/data.html
タイ
- 仏教 94%
- イスラム教 5%
タイは国内のいたるところに仏教寺院があり、広く仏教が普及しています。
仏教の種類は、日本の大乗仏教とは異なる上座部仏教。
上座部仏教は、タイ同様に東南アジアのカンボジア・ミャンマー、・ラオスなどで広く信仰されています。
仏教徒が94%を占めるタイですが、マレーシアと国境を接する南部ではイスラム教徒が多い地域もあります。
(参考)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/thailand/data.html
インドネシア
- イスラム教 87.2%
- キリスト教 9.9%(プロテスタント 7.0% カトリック 2.9%)
- ヒンドゥー教 1.7%
- 仏教 0.7%
インドネシアは、その人口(2.55億人)も相まって、世界で一番イスラム教徒の多い国です。
その国民に占める割合は、90%近くにもなります。
しかしながら、インドネシアは国教を定めておらず、宗教の共存が建国の精神です。
観光地でも知られるバリ島は、例外的にヒンドゥー教徒の多い島です。
(参考)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/indonesia/data.html
ベトナム
- 仏教 半数
- 無宗教 約30% *全体の数字から推定
- キリスト教(カトリック 8~10% プロテスタント 0.5~2%)
- ホアハオ 1.5~4%
- カオダイ 1.5~3%
- イスラム教 0.1%
ベトナムは、半数の人々が仏教徒(仏教は主に大乗仏教系)です。
ベトナム独自のカオダイ(儒教、道教、仏教、キリスト教、イスラム教からできた新宗教)ホンハオ(仏教系新宗教)などもあります。
*資料によっては、多くの仏教徒が無宗教と分類されているものもあります。
(参考)
http://www.moj.go.jp/content/000056750.pdf
フィリピン
- キリスト教 93% (83%がカトリック)
- イスラム教 5%
フィリピンは、キリスト教徒が90%以上を占める国として、東南アジアでは珍しい国です。
長年(約300年)にわたるスペインの統治下で、キリスト教(カトリック)を信仰する人が増えたのがその理由。
しかしながら、南部のミンダナオ島では、2割もの人がイスラム教徒です。
(参考)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/philippines/data.html
カンボジア
仏教 90%
上座部仏教が主流で、国民の90%が仏教徒です。
カンボジアは、国の宗教が仏教です。
1970年代のポルポト政権下には、仏教の否定もありましたが、仏教国として復興しています。
(参考)
https://www.jst.go.jp/crds/report/report10/KH20161130.html
ミャンマー
仏教 90%
上座仏教が主流で、国民の90%が仏教徒です。
国際ニュースでたびたび取り上げられるロヒンギャは、イスラム教徒。
第一の都市ヤンゴンの象徴/シュエダゴン・パゴダ(写真)は、重要な聖地として崇められています。
(参考)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/myanmar/data.html